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終活

デジタル終活

こんにちは。I&I STORIES 相続終活相談デスク の西山です。

 

 最近「デジタル遺品」と呼ばれる自身の死後のスマートフォンやパソコン内のデータの処理を考える「デジタル終活」が注目を集めています。

 スマートフォンやパソコンのログインパスワードを誰にも伝えずに持ち主が亡くなり、遺族や関係者がパスワードロックを解除できずに、予期せぬトラブルに巻き込まれるケースが相次いでいます。一方、パスワードロックを解除したことにより機器内に保存されていた故人のプライベートな情報が遺族等に知られてしまうケースもあります。

 遺族が亡くなった方のスマートフォンやパソコンなどを調べる際に、最も問題になるのは「デジタル機器にログインできるかどうか」という点になりますので、ログインさえできれば、保存されているデータや利用しているインターネットサービス等が確認でき、その後の引継ぎの作業をスムーズに進めることが出来ます。よってデジタル機器のログインパスワードだけは必ずメモ等に残しておく必要があります。

 もしパスワードが分からない場合、パソコンであれば専門業者に頼めば比較的安価にパスワードロックを解除できます。一方スマートフォンの場合はパスワードロックを解除できる業者が限られており、金額が非常に高額になるケースがあります。またロックの解除に半年以上もかかることもあり、スマートフォンのパスワードが分からなくなった場合は、過半数以上の方がデータ復旧を諦めているそうです。

 

 相続人は相続の手続きの観点から、故人の金融資産を把握する必要がありますので、現在利用しているネット銀行やネット証券の会社名をデジタル機器のログインパスワードと一緒にメモを残していく必要があります。またサブスクリプションサービスは遺族が解約する必要がありますので、利用しているサービス名などをリストアップするとよいと思います。

 

 終活は高齢者が行うというイメージが強いですが、デジタル終活はスマートフォンやおパソコンなどを使いこなしている若い世代にこそやっておくべきものだといえます。また個人事業主や中小企業の経営者は仕事に関する情報がスマートフォンやパソコンに保存されているケースも多いと思いますので、仕事の引継ぎという面からもデジタル遺品について考えておく必要があります。

 個人事業主や中小企業の経営者が使用しているデジタル機器のログインパスワードに関しては、信頼できる顧問税理士の先生などにお願いするのが最適だと考えられます。若しくはエンディングノートを活用して、どこに、どんな名前でどんなデータが保存されていて、どう処理して欲しいなどログインパスワードと一緒に書いておき、税理士の先生と共有しておくとよいかもしれません。

 必要な情報を取り出した後は、情報の漏洩を防ぐというために物理的に処分してしまえばデータは完全に消去できますので、具体的な対策を税理士の先生と一緒に考えることが求められます。

 デジタル遺品の問題は、「各デジタル機器やサービスのログインパスワードの共有」という非常にシンプルな方法でその大部分を解決することが可能です。 

 

この記事を読まれた方は、ぜひパソコンやスマホなどのパスワードをエンディングノートやメモに残すようにしていただきたいです。

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